ちえちひろ個展「山」at KIAN Gallery, 東京

「山を思って描いた絵と陶器の展示販売会」

ちえちひろ個展「山」を開催いたします。







「誰かにとってのくらしの景色、ビル、電車、海。私たちにとって、山はいつもそこにいます。
それは優しく、強く、守り、そして時には何かを遮って見えなくしたりします。
景色ががもっている力と、心の中にいる山のような作品を作りたいと思い、
今回の個展に向けて作品を作りました。」




ーーーー

期間
11/21(土)-29(日)

作家在廊日
21(土)ちえもちひろも会場にいます。
22(日)ちえは終日いますが、ちひろは途中で佐賀に帰ります。


場所
KIAN GALLERY
東京都目黒区自由が丘1-3-21-2F





ーーーー

〜展示会小話〜

去年、近所の工事現場の土砂から、1つの古い陶片がみつかり、それが気になった父がその土砂を掘りまくりました。(父は陶芸家で焼き物マニアです)
そして、それらは約350年前に作られたものだと分かりました。

父が掘り続けていると、
色絵磁器の陶片に加え、絵の具を作っていた道具、色絵を焼いていた窯の道具がみつかり、私たちが住む佐賀県嬉野町吉田で、色絵磁器が作られていたという発見に繋がりました。

※色絵というのは、一度、本焼で焼いてしまった陶磁器・金属器の表面に彩色して、一度窯で焼く技法なのです。色絵では鮮やかな色彩と繊細な線での表現が可能です。

色絵は有田で一六四七年ごろに始まったとされていて、スペシャルな扱いをされているのですが、ほぼ同時期に吉田でも作られていたじゃないか!と発見につながりました。

それらの350年前に同じ土地に住んでた人たちが作った陶器を見ていると、吉田の焼き物は、いい意味でおおらかで優しい線、でも大雑把でテキトウ〜に描いてある絵柄が、やわらかい優しい土の色にのせられていて、私たちはなんだかとてもシンパシーを感じ、嬉しくなりました。
そして、この土地で作っていることの意味だとか、知らなかった歴史だとか、そういうもの上で制作しているんだ、そしていつもここにある山はずっとそれらを見てきている、と感じました。
そういう心のランドマークみたいなものって、都会でも田舎でもきっと色んな土地それぞれにあるんだろうな、と思いました。

そういうこともあって、今回の陶器作品には、色絵の技法を使った陶器も並びます。



リングホルダー
女たち

なくしがちな指輪を彼女たちにかけてあげてください







山の上で糸電話カップ
(この女の子の部分は色絵で描いてます)








瞑想パンダ皿







先輩ねこと子ネコ皿





山ガール皿






それから、今回は絵本にも挑戦しました。
焼き物は小さい頃から親しんで育った幼なじみ、という感じがするのですが、絵本はよく読んでもらって育ったので憧れの先輩!という存在です。

憧れが大きく、私たちがまだ手を出せる存在じゃない・・と思っていたのですが、せっかくこうして展示会をさせていただく機会を頂いたのだから、思い切って先輩に告白しよう、という気持ちで作りました。

タイトルは「山のおなか」で、
この絵本の中にでてくる山くんは、焼き物のコレクターで、腹の中に実はいろんな陶器のコレクションを持っていて、今回展示会に並ぶちえちひろの陶器は、そんな山くんの腹の中のコレクションをイメージして作りました。

展示会では、この絵本の原画を展示し、作った絵本は展示販売いたします。


小話が長くなってしまいましたが、ちえちひろ個展「山」
観て頂けると幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

ちえちひろ

宮崎千絵・千尋